Minimally Important Clinical Difference (MICD)
MID/MICDとは
これまで述べたように、患者報告型アウトカムPROであっても十分に真のエンドポイントになり得ると考えられますが、
つづいて、もう少し議論を進めるために、臨床的に意義のある最小の差minimally important clinical difference (MIDまたはMICD)について述べたいと思います。
これは一言で言うと、「その尺度、何点くらい差が出ればいいの?」ということです。
たとえば
Aという術式の術後下痢症状が45点と算出された場合、この45点という絶対値がどういう意味を持つのか、
そして何らかの治療・介入を行った際に、
このスコアが40点、35点へと変化した場合、この変化がどういう意味を持つのか、
の2点を明らかにすることで、尺度の説明力(interpretability)を高めることができます。
MID/MICDの定義と測定方法
言葉の定義
MID(minimally important clinical difference)すなわち「臨床的に意味のある最小」の差は
患者のマネジメントまたは経時的な変化によって生じるsmall but significant change、すなわち”患者が有益と感じる”、あるいは”支持する”得点差の最も小さい値
と定義されます。
MIDの計測方法にはAnchor-BasedとDistribution-Basedの2つのアプローチがあります。
以後、それぞれの概略と利点・欠点について出来る限り外科臨床の立場から、簡潔に述べたいと思います。